さて、運送業を始めたいと思った時に、個人事業主として行うのが良いのか?それとも法人を作って始めるのが良いのか?と迷われる方も多いのではないでしょうか?実際のところ、個人で運送業を始めても何の問題もなく、もちろん法人でも何の問題もありません。では、個人と法人では何が異なるのかを、ざっくりとお話ししてみます。
個人と法人の開業資金の違い
当然のことながら、運送業を開業するにあたって個人、法人共にメリット、デメリットがあります。その最たる違いと言えば、開業資金と言ってもいいかもしれません。個人で開業するのであれば、法人設立の費用(20万円前後)が必要ないというのはメリットと言えます。逆に法人設立をすると、20万円前後の費用がかかりますが、法人ということで社会的信用度が高いと考えられます(個人が信用度が無い、低いと言う訳ではありません)。
また、会社を運営するための資本金が必要なこともあり、数百万円の資金が必要になるので、ある程度事前に資金を貯めておかなければいけません。それに、営業所の確保はもちろんのこと、駐車場の確保も必須です。さらに、ドライバーの方が疲れた体を休めるための休憩室も確保しなければならず、そういった面では法人というものはお金がかかります。このようなことから、開業資金だけを考えると、個人のほうが初期費用をかけずに開業できます。
個人と法人の運送業許可申請と法令試験
個人・法人を問わず、運送業を行うには、運送業許可申請を行わなければいけません。実際のところ、許可申請の手続き自体はさほど変わりませんが、法人の場合は、先に法人設立をしてから申請受け付けをしないと提出する書類の量が増えてしまうので、手続きがかなり煩雑になります。こういった面倒事を考えると、事前に法人設立しておくほうが良いでしょう。
次に法令試験に関してですが、個人で運送業を行う場合は、もちろんその個人事業主本人が試験を受けなければいけません。しかし、法人の場合は、常勤役員の誰かが試験を受ければ良いので、必ずしも社長が試験を受けなければいけないということはありません。これが特にメリットという訳ではありませんが、社長が試験を避けたいのであれば、別の役員が試験を受けても大丈夫ということです。
運送業を始める個人のメリットとデメリット
前述したように、最大のメリットは開業資金がかからないのが個人事業主としての運送業を開業するメリットと言えます。スタート時に諸費用を節約できるのはとてもありがたいですよね。しかし、全体的な視点で見ると、個人より法人のほうがメリットが多いと言わざるを得ません。個人事業主の信用度が低いという訳ではありませんが、やはり法人を設立しているほうが信用度が高く見られてしまうのは仕方がありません。また、法人の場合は銀行からの融資が受けられやすく、資金調達もしやすいのもメリットと言えます。また、消費税の減免期間があったり、節税対策を行えるなどのメリットがあるのも法人ならではと言えます。
コメントを残す