緑ナンバー取得条件や方法、費用、メリット、レンタカーについて

緑ナンバーとは?

車のナンバープレートの下地は「白」「黄色」「黒」「緑」「青」があります。この中で多くの方から最も縁遠いのが「青ナンバー」でしょう。これは外務省用車のプレートなんで、あまり見かけませんし縁も無いと思います。よく、緑ナンバーの車両を「青ナンバー」と信号のように言っている方がいますが、実際外務省の青ナンバーがあるので緑は緑です。

トラックで「緑」「白」ナンバーを共に見かけますが、これは運搬物の違いからきています。他社の品物(荷物)や人、運賃をいただいて業務を行う場合には緑ナンバーが。運賃などをいただかず、自社の物を運ぶ場合は白ナンバーです。

緑ナンバーの取得条件

➀費用(運転資金・開業資金)
申請する際には、運転資金がしっかりと確保されているのかを見られるので、運転資金を確保できるか否かが別れ目です。軽貨物の個人事業主であれば別ですが、事務所の費用、駐車場の確保、従業員の給与、自動車保険その他諸々の費用を負担しなければならないので、最もハードルが高いのが運転資金と言わざるをえません。運転資金は多ければ多いに越したことはありませんが、500万円くらいは必要でしょう(会社の規模によりますが)。※運輸局に残高証明書を提出する時に必要です。

➁運行管理者資格
この資格がなければそもそも運送業として営業できないので、絶対に試験に合格しないといけません。しかもこちらの資格は3月、8月の年2回しか試験がないので、一発で合格を狙いましょう。また、運行管理者の受験資格ですが、1年以上の実務経験があるか?または、運行管理者基礎講習(3日間)かけて受講する必要があります。

➂法令試験(常勤役員の誰か)
こちらも必須な資格で、これも取得していなければ運送業を営めません。常勤役員の誰か一人が受験して合格すればOKで、必ずしも代表取締役社長が合格しなければいけない訳ではありません。

④整備管理者
運送業を行うにあたっては、常にトラックが動いているため、整備、点検などが一般車両より重要です。こちらを選任するには「自動車整備士の資格保持者」であるか、運送会社で2年以上の経験があり(前職で経験しているのであれば、前の会社に証明してもらう必要があります)、整備管理者選任前研修を修了していればOKです。

⑤人数(ドライバー+α)
緑ナンバーを取得して運送業を行う場合は、最少でも6人の人員が必要です。運行管理をしながらドライバーを兼務することができないので、運行管理者は除外されます。

⑥営業所、駐車場、休憩所の確保
これも義務付けられているのですが、上記のものが必ず必要です。営業所はもちろんのこと、当然ながら駐車場は必要です。基本的には営業所の近くに確保することが基準になっていますが、無理であれば直線距離5km、10km範囲内でOKです。その他休憩所も必須ですが、こちらは「何坪なければいけない」という規定がないので、アパートやマンションの一室などでも大丈夫です。

⑦法人自動車保険への加入
運転資金を始め、法令試験の合格、その他諸々ありますが、絶対に加入しておかなければいけないのが自動車保険です。これに加入していないと開業できないんです(既に加入している場合は、車検証の変更のみ)。
以前はダイレクト型の法人自動車保険は殆どありませんでしたが、現在では少しずつダイレクト型が増えてきています。しかも大手の損保ジャパン日本興亜や三井住友海上などが扱っているため、安心して加入できます。

緑ナンバーの取得方法

ここでは、ざっくりかつ分かりやすく、緑ナンバーの取得方法について解説します。
緑ナンバーでの運送業を営業する場合には、色々と事前の準備が必要です。最低でも半年くらい前から書類、資金などの準備をしておかないと間に合わないこともありますので、注意が必要です。

➀許可基準の確認
前述した「お金(運転資金)」や車の台数5台以上の確保、営業所、運行管理者などの条件を満たしていますか?しっかりと確認、準備しておきましょう。

➁法令試験に合格
先ほど記事で記載していますが、こちらの法令試験に合格しないことには、にっちもさっちもいきません。常勤役員の誰かが合格していればOKなので、試験が得意な常勤役員の方が受けるのがいいかもしれません。

➂運輸局に書類を提出
書類が揃ったら運輸支局に申請書類を提出して、審査結果を待ってください(この期間が4ヵ月位かかる場合もあります)。

➃出ました!営業許可
審査が通って晴れて営業許可がおりました!登録免許税120,000円を運輸局に納めてください。運輸支局で交付式が行われるので、個人事業主の方や役員が出席して許可書を受理してください。

➄緑ナンバーで営業開始
選任届他、連絡書などの書類を発行。車検証を新しくして、緑ナンバーを受け取ってください!そして、運輸開始届を提出したら、いよいよ営業スタートです(届け出を提出する際には、新車検証の写し、任意保険の保険証券の写しが必要です)

緑ナンバーの取得費用

さて、ここまで長い道のりでした。最後になりますが、ざっくりと費用の説明をさせていただきます。

➀お金=500万円位は必要(大いに越したことはありませんので、1,000万円くらいあると余裕を持って営業できます)。
➁登録免許税=120,000円
➂ナンバープレート=1台あたり1,500円くらい×5台(約7,500円)。※そんなに高額じゃないですね。
➃印紙代=1台あたり500円くらい×5台(約2,500円)。

緑ナンバーのメリットは?

➀社会的信頼度がバツグンにアップ!
白ナンバーや黄色ナンバーが信頼度が低いという訳ではありませんが、緑ナンバーを取得するには、前述したように様々な手続きをクリアーしないと営業許可はおりません。だから、社会的な信頼度が高く、一般の車両と比較してしまうと雲泥の差があります。実際、公共事業に参入したいと思っても、普通のナンバープレートでは参入できないんです。また、トラックを増やしたいと思った時に、銀行からの融資も受けやすいのもメリット。ということから「日本国から許可された運送業者」として認められている緑ナンバーは、伊達や酔狂で緑色のナンバーをつけている訳ではないのです。

➁従業員の福利厚生がアップするからやる気もアップ
これは従業員にとって、凄いメリットがあります。緑ナンバーを取得する際には、社会保険への加入が義務付けられているのです。従業員の方々が安心して働ける環境づくりができるというのは、非常に良いことですね。

➂企業の規模の拡大
公共事業はもちろん、今まで取引できなかった民間企業などとの取引もやりやすくなります。緑ナンバーの効果というものは、かなりレベルが高いのがよく分かります。

➃自動車税が安い
税金を支払うというのは国民の義務なので当然なのですが、しかしできれば支払う金額が安いに越したことはありませんよね(笑)。まず自動車税は積載量によって変わります。白ナンバーと比較して、重ければ重いほど重量税は安くなるのがひと目で分かります。

【自動車税】
2t:白/11,500円:緑/9,000円2,500円安い)。
4t:白/20,500円:緑/15,000円5,500円も安い)。
8t:白/40,500円:緑/29,500円11,000円も安い!)。

➄重量税も安い
もう一つある税金ですね。こちらは車両総重量によって金額が異なります

【重量税】
5t:白/20,500円:緑/13,000円7,500円安)。
8t:白/32,800円:緑/20,800円12,000円も安い)。
20t:白/82,000円:緑/52,000円(なんと、30,000円も安い)。

というように、メリットが多い緑ナンバー。社会的信頼度もアップして、社員も安心して働ける。しかも、企業としての拡大もかなり期待でき、税金も安い・・・となると、本当に良いことづくめと言ってもいいでしょう。

緑ナンバーのレンタカーは?

よく「緑ナンバーでレンタカーはあるのか?」ということを聞きますが、原則として貨物自動車運送事業者はレンタカーの使用を禁じられているので、基本的にはダメです。しかし、年末年始、夏期、秋期繁忙期に車両台数が足りないというような状況に陥った場合、運輸支局に申請をすればカーリースの会社から車両を借りて営業することができるんです(自家用有償運送)。

➀季節限定(期間限定)
繁忙期限定地域によって異なりますが、営業している地域の繁忙期にあたれば申請可能です。まずは地元の運輸支局に聞いてみるのが一番ですが、基本的には年末年始、夏期、秋期が一般的です。

➁「わ」ナンバーではありません
「わ」ナンバーのレンタカーというものは存在しないので、白ナンバーから緑ナンバーへの切り替えが必要です。この料金は会社によって異なるので一概には申し上げられませんが、4、50,000円くらいが相場のようです。また、会社によっては10日くらいの短期レンタルから、長期的なリースまで幅広く対応しているようなので、時期によって使い分けるのが良いでしょう。

➂有償運送許可を受講と申請
申請をするには管轄の運輸支局に行かないといけませんが、講習会はどこで受けても大丈夫なところがミソ(講習は全国の色々なところで、様々な団体が行っています)。講習を受けて簡単なテストを終えると、受講証明書をいただけます。この証明書と車検証、対物無制限がついている自動車保険のコピーを運輸支局に提出すれば申請はOKです。

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